■コラム:沖縄(1) ブクブク茶



ブクブク茶とは

ブクブク茶

 沖縄県で飲まれている振り茶の一種。
大きな器に煎り米を煮出したものと、さんぴん茶や番茶などを入れ、茶筅で泡立て、その泡を茶碗に入れて食べるように飲む。
写真の左下はさんぴん茶が入ったお茶碗に泡を乗せたもの、その他、泡にかけるピーナッツ、お茶請け各種、それと奥に泡立用にお米とお茶を煮込んだ液体の入った大きな器(ブクブクーザラ(*1))がある。

現代では観光用になっているような感じもするが、「明治頃までは那覇周辺でのみ飲まれ、市場などでぶくぶく茶を売り歩いていたと言われ、中流以上の家庭で家族の誕生日や出産祝い、新築祝いなどといった際にぶくぶく茶は飲まれていた」(*2)という。

淹れ方、飲み方(食べ方)

ブクブク茶
ブクブク茶

 淹れ方は、大きな器の液体を、大きくてしっかりとした茶筅でかき混ぜ、泡が立ち始めるのでいっぱいになるぐらいまであわ立たせる。数分待つと泡が硬くなるので、その泡を茶筅でさんぴん茶などの入った小さな茶碗に盛っていく。
 茶碗の上にこんもりとなるぐらいに泡を乗せ、そこにピーナツ砂糖を振りかけて、泡にかぶりつく。泡がなくなったらまた泡を作りまた盛るということを繰り返す。お茶請けのお菓子やゴーヤの漬物などとともに泡を食べる。

琉球茶道

 琉球茶道もあり、作法などについての本も出ている。そこでは、ぶくぶく茶は松江のぼてぼて茶、富山のバタバタ茶と同じく「振り茶」という分類に入れられている。


【参照】
安次冨順子 1992. 『ブクブクー茶』 ニライ社
(*1)フザラ(大皿)やウフバーチ(大鉢)などとも呼ばれていた。 安次冨順子 1992. p.52
(*2)安次冨順子 1992.P.44
【写真】
掲載写真すべて筆者撮影(2010年4月24日訪問時)


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