■コラム:対馬(1) ろくべえ



孝行芋と「ろくべえ」

 サツマイモのことを対馬では孝行芋といい、1715年に対馬に薩摩から移入し、1723年の記録にはすでに「孝行芋」と記録され 、山畑で作られていました。
 サツマイモは、煮たり焼いたりご飯に混ぜたり、切干にして保存食としたりしていました。「せん」という澱粉を主とした発酵保存食品を作り、団子やちまき、団子汁やせんもち、うどんの「ろくべえ」などを作る際にも使われます。


 サツマイモの小さなものや傷のついたもの、つるは乾燥して、牛馬の冬場の飼料にもしていました。
 対馬の孝行芋は対馬方言で「コーコモ」、対馬北部では「コグマ」といわれていた。そして、18世紀中ごろに朝鮮通信使が対馬から朝鮮へ持ち帰ったことから、現在の朝鮮語でも「コグマ」と呼ばれています。


【参考】
(*1) 月川雅夫 1985. 『日本の食生活全集 聞き書 長崎の食』p.290 農文協
【写真】
掲載写真すべて筆者撮影(2010年9月19日訪問時)


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